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第1808号 たった一言でコンテスト受賞作品★ホスピタリティ賞★『お互いさま』

<掲載時のお名前>花生牛軋糖さん
<学校名・学年>京都共栄学園高等学校

<心に響いた「たった一言」>
「お互いさま」

<「たった一言エピソード」>
それは、夏の夜の出来事だった。私はなぜか京都駅の新幹線出口で迷ってしまい、予約してあるホテルとは逆方向に出てしまった。辺りはもう真っ暗で、狭くて寂しい高架下をくぐっているときは、とても不安だった。

そんなときにふいに後ろから来た女性に、私は思わず「すみません」と声をかけてしまったが、その女性は、いかにも都会的で気の強そうな、私の苦手なタイプの人だった。

「しまった」と思ったが、恐る恐るこの道であっているかきくと、その人は、「私も近くまで行くし」というなり、スタスタと歩き始めた。

早足に置いて行かれそうになりながらもついていくと、四つ角で待っていてくれて「この先、ほら、あの建物」と教えてくれた。私がお礼を言うと、その人は「お互いさまやし、気を付けてな。」とニコリと笑って、逆方向にまたスタスタと去っていった。

もしかして、私の為に遠回りしてくれたのだろうか。その時は、やっとホテルにたどり着けたという安心感のほうが強くて、その女性の心遣いに気づかなかったが、後になって、そのさりげない優しさが心にしみてきた。

私も「お互いさま」とさらっといえるひとになりたいと思う。