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第1800号  ほろほろ通信『障害者専用駐車場での出来事』志賀内泰弘

車いすの生活を余儀なくされている三好町の山口主さん(71)の話。
一人暮らしの山口さんは、雨の日の買い物が一番苦労するという。自動車から車いすに乗り換えるので、屋外駐車場だと濡れてしまう。そのため、屋内駐車場に向かう。ところが障害者専用のスペースが、一般車両で埋まっていて利用できないことが多いという。山口さんが車いすに苦労して乗降している目前で、健常者の若いカップルが障害者専用スペースに駐車していくこともあった。

ある大型スーパーでも、店の入り口前に用意された10台の障害車専用駐車場のほとんどに一般車両が止められていた。このことに頭を悩ませた店主は、そのうち二カ所に赤い三角コーンを置いて注意を促すようにしてくれた。
ところが、一人で運転して来る山口さんのような車いすの利用者には、これが逆効果になる。車からいったん降りて車いすに乗り換え、コーンを寄せてから再び車に乗り駐車しなくてはならない。
そもそも、そのいったん乗降するスペースがないのが実情だ。そこで山口さんは5センチずつ車を移動させ、窓から手を出してコーンをずらすドライブテクニックを身に付けた。

ある日のこと。スーパーに併設するクリーニング店の女性店員が飛び出して来た。「いいですよ、やりますから」と言い、コーンを移動させてくれた。おそらく、いつも苦労している光景を見ていたのだろう。その後も、山口さんの姿を見かけるたび、走って来てくれるという。

<中日新聞掲載2009年3月8日>