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第1772号 ちょっといい話『とても嬉しい知らせ』志賀内泰弘

「もの書き」の仕事をしています。それは孤独な作業です。何もないところから、ただただ考えてアイデアの種を見つけます。それに水と肥料をやって、膨らませます。計画通りにいくことは、ほとんどありません。もちろん時間通りにも。

だから楽しくもありますが、苦しくもあります。

そんな中、読者の方からの「声」は、何よりの励みになります。拙著「眠る前5分で読める心がホッとするいい話」(イーストプレス)の中に登場する、公益財団法人 アジア保健研修所(通称AHI)にお勤めの、羽佐田美千代さんから一通のお便りをいただきました。

AHIは、医療の遅れているアジアの過疎の地で働く保健ワーカーを育てるため、各国から研修生を受け入れているボランテイア組織です。そのお便りの一部を要約し、紹介させていただきます。

   *   *   *   *

志賀内泰弘様

ご無沙汰しております。いつも素敵な作品をお送りくださり、本当にありがとうございます。

先週の日曜日に、名古屋市中村区にある日本キリスト教団名古屋中村教会にAHIの職員の清水さんがお話に行きました。この教会は、AHI創立者の川原啓美医師が生前に通っていた教会でもあります。

礼拝後の懇談の時間に、名古屋中村教会の教会員の浅野利光さんという方から、
「自分の愛読書に川原先生のことが紹介されているけれども、清水さんはご存じですか?」
と聞かれました。その愛読書というのが、志賀内さんの「眠る前5分で読める心がホッとするいい話」だというのです。

実は、その浅野さんは全盲です。そこで、その教会の牧師である岩本さんに、
「浅野さんは、点字で読まれているのでしょうか。それとも、朗読テープを聞いておられるのでしょうか?」
と確認したところ、下記のようなお答えがありました。

   *   *   *   *

「浅野さんは、メモリーカードの本のデータで入手されてます。それを手元の点字変換機に入れて読まれたそうです。点字用紙に打ち出す形式ではなくて、一行一行順送りで点字表記が表示される機械です。「点字変換機」でネット検索すると、色々と映像が出てきます。三重盲信徒会のお仲間の箕田さんから紹介され、送ってもらったデータとのことでした。

そこで、その箕田さんに問い合わせてみたところ、サピエ図書館という視覚障害者向けの総合図書館サイトがあって、そちらからダウンロードされたとお聞きしました。
www.sapie.or.jp/cgi-bin/CN1WWW
さらに検索して調べたところ、本作のデータの作成元は名古屋ライトハウスみたいです。志賀内さんの著作は、他にも10冊が日本全国各地でデータ化されています。

きっと、この地域の多くの「盲信徒」の方々が、一日のご苦労を振り返りながらお休み前の5分間に志賀内さんの著作をお読みになっていることと思います」

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「盲信徒」という言葉はなじみがないかもしれませんが、クリスチャンで視覚障害をもつ方たちのことです。

日本盲人キリスト教伝道協議会(盲伝)という団体があり、そこで全国の盲信徒の皆さんはつながっていらっしゃいます。名古屋中村教会はAHIと盲伝の二つの団体の支援をご自分たちの核と考えておられます。

こういった動きは本の売上には大きくは貢献していないかもしれませんが、きっと志賀内さんの出版のお気持ちに添っているだろうと思い、お伝えさせていただきます。

名古屋中村教会には複数の視覚障害をお持ちの方がいらっしゃいます。創立者の川原は、晩年に緑内障でほとんど視力を失いましたが、「浅野さんたちを見てきましたから、不安はありません」と言っていたそうです。

目が見えない状態で、この社会で生きていかれている方たちだからこそ、「眠る前5分で読める心がホッとするいい話」に掲載されているお話の一つひとつが、心に沁みて、明日への励ましにつながっているのだろうと思います。

あらためて、志賀内さんのしてくださっているお仕事に心から感謝申し上げます。

(以上、ここまでAHI羽佐田さんのお便り)

   *   *   *   *

自慢のつもりで、羽佐田さんのお便りを紹介させていただいたわけではありません。実は、いま、「眠る前5分で読める心がホッとするいい話」のパート2(タイトル未定)の出版の準備中で、最後の校正作業に追われています。

その本の中に、まさしく「目の不自由な友人」のエピソードが入っているのです。その他にも、さまざまな障がいを持っているにもかかわらず、頑張っている人たちの「いい話」も多く収めました。

作家というのは、一度書いてしまうと、それでお仕舞いです。自分の手を離れてしまい、読者と会話を交わすことはほとんどありません。正直、寂しいのです。だから、今回のようなお便りをいただくと、ものすごく嬉しい!そして、エネルギーをもらい、次の作品への励みになります。

多くの人たちの「希望」を抱いてもらえるような作品をこれからも書いていきたいと、心に強く誓いました。