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第1768号 ちょっといい話『幸せをもらう仕事』志賀内泰弘

愛知県瀬戸市で、小学校の教諭を務めるYさんからこんなお話が届きました。

    *    *    *    *    *

「幸せをもらう仕事」
                                
二学期から仕事が忙しくなり、休日出勤が続き、自分の効率の悪さにイライラし、何のために仕事をしているのか分からなくなっていました。なんとか休むことができたある休日のことです。元気がほしくて、「オズランド」という映画を見に行きました。熊本県で実際に営業しているテーマパークを基にした、田舎の遊園地を盛り上げていく人たちのドラマです。

さて、映画が始まると涙が出ます出ます。スクリーンでは、従業員の笑顔でお客様が笑顔になる。みんなが幸せになる夢の国が描かれていました。その世界は、学生時代に自分が思い描いていた光景に似ていました。可能性溢れる子どもたちに、笑顔になってほしい。幸せになる手助けがしたい。
・・・なーんて空想をもって。

なのに実際は・・・?
部活や校務分掌、イベント準備、出張などなどに追われ、クラスの子どもたちのための時間を作れずにクラスの担任は自分しかいないのに、「何のために先生になったんだ」と悔しくてたまらなくなりました。映画を見ながら、子どもたちの顔ばかり浮かんで。

自分は笑えているのか。子どもたちを幸せにできているのか。忙しさを言い訳にしているだけなんじゃないか。そんな不安に駆られました。そんな後ろめたさがあるまま、保護者の方とお話ができる個人懇談が始まりました。「子どもたちを大切に思っていることは伝わりますように」と願って。

ところがです。あまりお話ししたことのない保護者の方から、
「一家でファンです」
との言葉をいただきました。信じられず、思わず返しました。
「こんな新米で本当に申し訳ないです」と。すると、
「保育園を渋っていたあの子が、学校を嫌がったことがないんです。子どもを見てれば、先生がどんな先生なのか分かりますよ」
とおっしゃるのです。

ずっと自信がなかった分、涙を隠せませんでした。どこからか自信が湧いて、仕事が山積みのデスクに座っても、幸せを感じてしまう不思議な1日でした。子どもたちを幸せにしたいと目指したこの職業でしたが、振り返ると幸せをもらうことのほうが多い仕事なのかもしれません。楽しい個人懇談でした。

    *    *    *    *    *

いかがでしたか。「働く方改革」が叫ばれる中で、学校の先生の労働環境の問題が取りざたされています。私の友人の先生も、家庭のことは二の次で、一年中ほとんどの休みらしい休みがない生活を送っています。当然、心が疲弊します。

さて、Y先生は社会に出て二年目だそうです。当然、経験も浅い。自信がなくて当たり前です。保護者の方の「やさしい一言」が、勇気を与えてくれたのです。最後の一言、
「振り返ると幸せをもらうことのほうが多い仕事なのかもしれません」
という言葉が胸に沁みます。

「与えること」は「受け取ること」

頑張れ!
ニッポンの先生!!