たくさんのいい話をたくさんの人に読んでもらいたい・届けたい・広げたい【運営】プチ紳士・プチ淑女を探せ!運動

無料メールマガジン
いい話を読む
いい話を投稿する
みなさんの感想
いい話グッズ購入

いい話を読む

第1697号 ちょっといい話『学校の先生も親も教えてくれなかったこと』志賀内泰弘

はかる昔のことです。
大学を卒業して、社会人になると、「成績」よりも大切なことがあることに気付かされます。
いや、「気付く」のはずいぶん先のことです。最初は、不平不満を言うだけ。つまり居酒屋での愚痴の言い合いです。

例えば、取引先との関係。
見積もりが競合先より安いだけでは決め手にはなりません。いかに、相手先の担当者に気に入られるか。ひょっとすると、見積もりの「目安価格」をそっと漏らしてくれることもあります。(公共工事でなければですが)

例えば、出世レース。
営業成績が優れていることだけが決め手ではありません。上司にどれほど気に入られるか。ミスをしたとしても、上手く立ち回って可愛がってもらえるか。

そんな不満を「不条理」と思い愚痴を言う。でも、それが社会というものなのだと理解して、徐々に人は大人になっていきます。

もちろん、「曲がったことが大嫌い」という人もいます。上司に媚びを売ったり、取引先にへいこらするのが嫌いな人もいます。それはそれで、一つの生き方です。どちらが正しいというわけではありません。

どちらの道を進むか、その選択は自分自身が決めることです。でも、「世の中とは、そういうものだ」と、もし学校で教えてくれていたら、もっと早く、楽に自分の道を生きられるのではないかと思います。

もっとも、親や祖父母が「生き方」「世渡りの仕方」を子供に教える家庭もあるかもしれませんが・・・。

さて、テレビ番組のプロデューサーでヒット作を連発し続けてきたテリー伊藤さんに、「オレとテレビと片腕少女」(角川書店)という著書があります。テリーさんの自伝的青春小説です。その中で、テリーさんの親友の安田弘のこんな話が出てきます。

*   *   *   *

安田弘はオレたちのナンパグループの中でも、いちばんモテた。とびきり男前というわけではなかったが、頭がよくて機転がきいた。そして、何より女性に優しくてマメだった。
「女はだれしも寂しがり屋さんなんだよ。目を離しちゃいけないし、手を離しちゃいけないし、言葉をかけてあげるのを忘れちゃいけないんだ」
女の子とデートするときは、自分の話よりも相手の話を聞くことが大事だと安田に教わった。
「オレは一晩中でも女の話をずっと聞いてあげられる。オレは、ひたすら相槌を打ち続けているだけ。それでも、最後には『とてもいい人ね』と思ってもらえるんだよ」
それは、何十年後かに石田純一さんがオレに言ってたこととまったく同じセリフだった。安田は大学1年生にしてすでにその境地に達していたのだった。
(以上、本文より抜粋)

*   *   *   *

別に、男の子にナンパを奨励したいわけではありません。女の子に、男の子に媚びを売ることを薦めているあけでもありません。

でも、ここに一つの真理があります。人から「モテる」人というのは、実によく人の話を聞くということです。

トップの営業マンは、けっして饒舌ではないと言います。お客様の話をただただ聴く。商品の説明なんてしなくても、「あなたの言う通りにするわ」と言わしめる。それがトップというもの。事実、「なんでこの人が・・・」という何人もの寡黙なトップセールスマン出逢ってきました。

学校の科目に、「モテるコツ」なんてのがあったら、きっと私の人生は変わっていたと思います。ああ~こんなこと言うと、ヒンシュクを買うかなあ。

でも、「プチ紳士」の「いい話」のエピソードには、これに似たものが多くあります。例えば、何度も何度も繰り返し同じ話を繰り返すお婆ちゃんの昔話を、まるで初めて聴くかのように耳を傾けるヘルパーさんの話。独り暮らしのお婆ちゃんの話を黙って聞いてあげながら、ドライブと食事に付き合ってあげるタクシードライバーさんの話。これも「モテる」ことに変わりありません。

そう言えば、私の大学時代の親友は、若い女の子にだけではなく、職場や取引先の人たちからも人気があります。まさに「聞き上手」。もっと早く、彼を見習っていたらよかった。トホホホ。