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第1644号 ちょっといい話『「平気」と「大丈夫」』志賀内泰弘

博報堂クリエイティブプロデューサーひきたよしあき著「机の前に貼る一行」は、
朝日小学生新聞に連載していたコラムを一冊にまとめたものです。

私はいつも、「小学生にもわかる文章であること」を心掛けていますが、
ひきたさんは、本当に難しいこと、人生において大人でも悩むことについて、
実にわかりやすい文章を書かれているので尊敬してします。

ひきたさんは、最近、大きな病気にかかりました。
手術後、身体にたくさんのパイプが入り、身動きが取れなくなってしまいました。
そこで思い出したのが、正岡子規です。
ご存じのように、脊椎カリエスで寝たきりのまま、創作活動を続けました。
ひきたさんも、同じだったといいます。
ただ天井を見上げて、痛みに堪えるばかりの。
寝返りも打てない身体に、病院のベッドは広すぎたそうです。

子規を支えた言葉は、「平気」でした。
「悟りとは、どんな場合でも平気でいられること」と言い、
痛くても、つらくても、
「平気、平気、平気」
と心で呟き、明るく楽しく文章を書いていた。

そのことを思い出したひきたさんは、
お経のように
「平気、平気、平気、平気」
と何度も唱え、この苦しみを乗り切って、元気になったそうです。

そこで、ひきたさんは、子供たちに呼び掛けます。
「今、病気をしているあなた。
つらいだろうけれど「平気」と心に決めてみてください。
少し楽になります。
『平気、平気』と言えば、希望が見えてきます。
言葉って病気をも乗り越える力がある。
それを信じて元気になろうね」
と。
さらに、「へいき君」というキャラクターを作りました。

すると、全国の子供たちから、たくさん手紙が寄せられました。
その中の一つ。ある事情で学校に行けなくなった子が、
学校へ行けるようになったというのです。

私も、20年ほど前に、大病をして生死を彷徨いました。
その時以来、何度も何度も唱えている言葉があります。
「大丈夫、大丈夫」
どれほど、ダメになった心を支えてくれたことか。

「平気」と「大丈夫」。
違う言葉ですが、意味は同じような気がします。
「類義語」というより「兄弟語」かな。

ひきたさんは言います。
「病気はつらい経験でした。
今から思えば、自分がどん底でつかみとった言葉だったからこそ
子どもたちも共感してくれたように思えます。
『へいき君』は今、私と多くの友だちをつなぐお守りになっています」
と。
「へいき君」と検索してみて下さい。
すぐにそのイラストが出てきます。

辛いことを跳ね返す。
それでいて「平気な」表情。
見るだけで、心が安らぎちょっと元気になれます。