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第1542号 ちょっといい話『「なぜ、ギブアンドギブをすると幸せになれるのか?」(その2)』志賀内泰弘

「プチ紳士・プチ淑女を探せ!」運動の理念は、「ギブアンドギブ」です。
与えて、与えて、それでも与えて、見返りを期待しない心を養うこと。
これこそが、仕事も家庭も恋もお金も人生そのものも、すべてのことが上手くゆく秘訣です。
「なぜ、ギブアンドギブをすると幸せになれるのか?」をシリーズでお届けしていきます。
 
有名な仏法の説話に「盥(たらい)水」という話があります。
盥に水を張って、その中に葉っぱを一枚浮かべる。
両手で「こっちへ来い」とかき寄せると、
まるで自分から逃げていくかのように、
向こうへと遠ざかってゆきます。
反対に、両手で水を「あっちへ行け」と追いやると、あら不思議。
自分のほうへ近づいてきます。遠ざければ、やって来る。
かき寄せれば逃げていく。
これは、自然の摂理、世の中の真理なのだといいます。
 
さて、元・古川商業高等学校(宮城県)女子バレーボール部監督の国分秀男さんと、
花巻東高等学校(岩手県)硬式野球部監督の佐々木洋さんの対談で、こんな話に心を引かれました。
 
国分さんは、県大会以上の優勝150回、全国大会出場77回(うち全国制覇12回)、
平成11年には春・夏・国体という三冠を果たしたチームの監督です。
また、佐々木さんは、2009年第81回選抜高校野球大会準優勝、
同年第91回全国高等学校野球選手権大会ベスト4に導きました。
 
その佐々木監督の話が、「運気」を上げるには、4つのポイントがあると言っています。
第91回の夏の甲子園、準々決勝の明豊高校(大分)との対戦の時のこと。
エースの菊池雄星投手(現・埼玉西武ライオンズ)が背中を痛めて途中降板、
8回を終わって4対6で花巻東はリードを許していました。
9回表の攻撃に移る前、佐々木監督は選手たちにこう言ったそうです。
「まだ2点差しかないぞ」
言葉は、どう使っても自由。
「5点差じゃないんだ、また2点差なんだ」
すると、9回に2点入れ、延長に持ち込めたと言います。
そして、10回の表、佐藤涼平選手がバントで一塁ランナーを二塁へ送った時、
全力疾走でファーストへ駈け込み、一塁の選手と激突して倒れ込んでしまった。
ピクリとも動かずタンカで運ばれ、誰もがもう次の守備には付けないと思った。
ところが、10回の裏、彼はまたニコニコ笑いながら全力疾走で守備に向かった。
その瞬間、会場が「ウオー」とどよめいたと言います。
「この球場は花巻東のためにいのではないか」と思ったくらいの拍手だったそうです。
佐々木監督は、こう言います。
「彼が倒れた時、ファーストの選手をにらんだり、文句を言ったり、
あるいは監督自身が審判に抗議をしていたら、
それほどまでに観客を味方につけることはできなかったろう」
と。
 
1つ目のポイント、それは「言葉」。
いかなる時でも、前向きで、愚痴や毒を吐かないことです。
そして、
二つ目は、誰と一緒にいるかということ。
例えば、友達は選べる。優れた人に会いに行き刺激を受けることができる。
三つ目は、表情、態度、身だしなみ。
チャラチャラした格好をしている子は、そういう友達と一緒にいる。
また、野球でも逆転されてシュンとしたり、
点を入れて大騒ぎしているチームには脅威を感じない。
反対に負けている時に笑顔でファィティングポーズが出るチームは怖いとも。
そして、四つ目です。
感謝と謙虚さ。
例えば、遠征で宿泊する際には、ホテルを出るときにすごくキレイに掃除をさせる。
甲子園のときにも、
「花巻東の使った後はベッドメイクがいらないくらいキレイにしてくれた」
と喜ばれたそうです。
そして、ホテルの人たちが、わざわざ球場まだ応援に来てくれたそうです。
菊池雄星投手も、トイレ掃除を熱心にしていることでマスコミに取り上げられたりしました。
ゴミが落ちているのを見ると、「神様が自分を試している」と思っていたそうです。
何をしてもツイでいる人と、そうでない人の差は、この四つだと言います。
 
佐々木監督のこの話を受けて、国分さんはこう言います。
「運というのは不思議なもので、欲しい、欲しいと追いかけると、
どんどん逃げて行くように感じます。
引き寄せるには、いま佐々木先生がおっしゃったように、
心構えや物の考え方、要するに人間力を磨いていくよりほかないと思います」
 
ここで、話を戻しましょう。
「盥(たらい)水」の話です。
両手で水を「あっちへ行け」と追いやると、
水の上の葉っぱは、自分のほうへ近づいてきます。
それは「欲しければ」「与えなさい」ということ。
つまり、ギブアンドギブです。
でも、ギブアンドギブの実践は正直言って、かなり難しい。
でも、その前にやれることがあります。
「欲しい」という気持ちを正しくコントロールすることです。
 
人間には「欲」があります。「欲しい、欲しい」という気持ちから
逃れることはできません。
その欲望が、いろいろな人類の発展に寄与してきたことは事実ですが、
同時に戦争をも引き起こしてきました。「欲」は両刃の刃です。
 
佐々木監督の言うところの「運」を引き寄せる四つのことは、
ギブアンドギブ以前の生きる上での大切な「心構え」「物の考え方」です。
それを身に付けて初めて「欲」をコントロールできるようになるのです。
 
(引用)「致知」2010年6月号