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月刊誌プチ紳士からの手紙






小冊子_表紙「ギブギブ」

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第1471号 ちょっといい話『目先の利益に囚われない、という生き方』志賀内泰弘

直木賞作家・池井戸潤さんの小説「陸王」を読んで心も身体も震えました。
映画でもないのにページをめくる度に「手に汗を握る」のです。
池井戸潤さんの小説を一度も読んだことのない方でも、
ブームになったテレビドラマ「半沢直樹」の原作者と言えば、
「ああ」とおっしゃる方も多い事でしょう。
 
主人公の一人は、埼玉県行田市にある
老舗の足袋メーカー「こはぜ屋」の四代目社長・宮沢紘一です。
斜陽産業の足袋だけでは食べていけない。
そこで、ランニングシューズの開発を手掛けます。
有望視されながらも、ケガで第一線から離脱して調整中の
ダイワ食品陸上部の部員・茂木裕人に声をかけ、
「足に負担のかからない」アスリートのための
シューズの開発を成し遂げます。
 

しかし、そこには、業界最大手のスポーツ用品メーカー
「アトランティス日本支社」が立ちはだかります。
さまざまな卑怯な手を使い、「こはぜ屋」を妨害。
それだけでなく、選手たちに圧力をかけ、
自分たちのシューズを使うように強制します。
 
そこに立ちはだかるのが、シューズマイスターの村野尊彦でした。
シューズマスターとは、選手の状態を把握し、
その人に適したシューズを選んだり作ったりする専門家です。
村野は、元々は「アトランティス日本支社」と契約していましたが、
選手を育てるのではなく、目先の利益にばかり力を入れる
マネージメントに嫌気が差し、自ら飛び出したのでした。
 
二転三転するドラマチックなストーリーなので、
あまり内容を説明できないのが残念ですが、
池井戸潤さん特有の勧善懲悪のお話なので、
ドキドキ・ハラハラしながらも「正義が勝つ」と、
安心して読めることを保証します。
 
さて、本題です。
ラストシーンにほど近いところで、
村野が、こんなことを言います。
 
「苦労を知らない人間ほど始末の悪いものはないからね。
 選手たちのためにもそんな奴に負けるわけにはいかないんだ。
 我々はシューズを作っているけれども、本当の目的は売ることじゃない。
 それを履く選手を支えることだ。そして、一緒に夢を追いかけることだろう。
 それを理解している人間とそうじゃない人間とでは、
 天と地ほどの差が生まれる。彼はまだそのことに気づいていない」
 
このセリフには、
「人は何のために働くのか」
「会社とは、どうあるべきか」
という答えが凝縮されています。
 
人は、欲の塊です。
欲がない人間なんて、いるわけがありません。
それこそ、人間から欲を取ったら、
もうマザ・ーテレサか神様になってしまうでしょう。
 
かんてんぱぱブランドで知られる伊那食品工業は、
50年以上も増収増益を続ける優良企業です。
テレビの情報番組で、「かんてん」が健康に良いと取り上げられ、
一大かんてんブームになったことがありました。
日本全国のスーパーの棚から、かんてんが消えました。
 
普通の会社なら、ここで、
「さあ、商機だ!フル回転で製造し、売って売って売りまくれ!」
となるところです。
しかし、伊那食品工業は違いました。
この会社では、一気に売上を伸ばすことを良しとしないのです。
 
会長の塚越寛さんは、その著書「年輪経営」の中で、こう説いています。
「目先の利益を追わない」
と。
例えば、具体的には、
1.安いからといって仕入先を変えない。
2.人員整理をしない。(人の犠牲の上にたった利益は利益ではない)
3.振込手数料を相手に持たせない。
 
目先の利益を放棄していると言ってもいいでしょう。
でも、きっと辛いに違いない。
でも、グッと堪えて、先を観る。
それが、長期にわたって企業が成長する元になっているのです。
 
「プチ紳士・プチ淑女を探せ!」運動の理念は、
「ギブアンドギブ」です。
与えて、与えて、それでも与えて
「見返りを期待しない」生き方を目指すことです。
あえて、「目指す」と言ったのは、
完璧な「ギブアンドギブ」なんて、できっこないからです。
それができたら、神様です。
 
でも、目先の利益を求めず、テイクを期待せず、
とにかく、ずっとずっと先を見据えて、与え続けること。
それが、結局は人生において一番大切なことなのです。
 
難しいようでいて、
誰もが、本当は知っているのです。
ギブした時、見返りを期待していないのにもかかわらず、
相手から過分の「お返し」や「お礼」を受け取ってしまった経験があるはずです。
 
大丈夫!
安心して、ギブアンドギブしましょう。