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第776号 ちょっといい話『全海和尚の『振り子の法則』』志賀内泰弘

尊敬する「心の師」がいます。
何人も。
中には、すでに他界された方もいますが、
その「師」の教えなくしては、今の自分はありません。

ときおり、そのお顔を思い浮かべつつ、
「おかげさま」と手を合わせています。

さて、今日は、その「心の師」の一人、
大阪府河内長野市にある勝光寺の住職・井本全海(ぜんかい)さんのことを
お話させていただきます。

このお寺は、滝に打たれて修行をする「滝行」で知られています。
会社経営者の信望を集め、社員研修も行われます。

「お寺で社員研修?」

と疑問を持たれる方も多いでしょう。

しかし、この全海和尚さんは、ただのお坊さんではないのです。
大阪は南船場で、宝石・貴金属の製造輸入卸売を営む、
株式会社丸善の創業者であり、現在も会長職にあるバリバリの商人なのです。

その取引先は、全国に1500店!
その経験を活かして、勝光寺で、
生き方を学ぶ「寺子屋塾」や大学生を
対象とした「就活塾」も開いておられます。

その全海和尚が、あの(!)致知出版社さんから本を出されました。

タイトルもズバリ「人間繁盛の法則」。

「命に感謝する」
「動物性と人間性に分ける」
「潜在能力を活用する」
「貯金型の人間になる」

など9つの法則にについて、
自らの経験に基づいて綴られています。

そのすべてに共通し、活用できるのが
「振り子の法則」だと説いておられます。
「振り子の法則」と何か。

マイナスに振れれば、プラスに振れる。
プラスに振れれば、マイナスに振れる。

これは、物理の法則です。
この宇宙は、作用反作用のエネルギーのバランスで成り立っています。

実は、人間社会でも、肉体の摂理、心の働き、
社会の動きも、物理的・心理的に均衡を保ちつつ、
プラスとマイナスの両方を行きつ戻りつしています。

例えば、何かを一つ失ったら、何かを得ているものです。
人は、マイナス思考が強いので、何かを失うと、
そのことしか目に入らなくなります。
でも、安心していい。
必ず、一つ失えば、一つ得ているものなのです。

反対に、何かを獲得しようとしたら、
必ず何かを犠牲にしなくてはならない。
振り子の原理で、一方通行や一石二鳥はないのです。

全海和尚は、30歳のとき、肺結核を患い、突然血を吐きました。
1年2か月もの間、入院生活を余儀なくさせられます。

一人でトイレに行くこともままならず、仕事もできず、ノイローゼになりました。
最初は、なぜ、自分がこんな目に遭わなければならないのかと、周りを恨んだそうです。
それは、かえって病気を悪化させてしまいました。

ところが、大病のおかげで、価値観が大きく転換できたのでした。
「苦しい体験のおかげで、健康のありがたみがわかる」
そして、
「働けなくなって、初めて働ける喜び」がわかったというのです。
人間、失って初めて、その良さに気付くのですね。

ここから、振り子が反対の方向に振れ始めたのです。
何事にも感謝できるようになり、贅沢も求めなくなりました。
「大苦」に振れたおかげで、
「大楽」に振れたのです。

「しまった」
が、
「しめた」に。
「これさえなかったら」
が、
「これのおかげ」に変わったのです。

この世の中は、これがマイナス、
これがブラスとは一概に決められない。
善悪も同じ。運、不運もしかり。

なるほど、と思いました。
この法則を知っていると、こんな生き方も可能になります。
もし、右に振ろうとしたら、左へ振るのです。

つまり、成功して、幸せになりたいと思ったら、自ら苦労を買って出るのです。
それは、大きな苦労を背負うほど、大きく振れて、大きな幸せがやってくる。

志賀内も、人生を振り返ると、「まさしく、その通り」と実感しました。
プラスにおいても、マイナスにおいても。