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第1652号 ちょっといい話『そっとこの手を合わせます』志賀内泰弘

神社やお寺に行き、お参りする際、共に手を合わせます。
ヒンズー教でもキリスト教でも、お祈り時に手を合わせます。
「手を合わす」という動作に、何か人類共通の意味があるのでしょうか。

仏教では右手は自分自身、左手が仏様そのものであるといいます。
神道では右手が自分、左手は神様。
ということは、「手を合わせる」とは、
仏様と自分、神様と自分とが一つになることだと言うのです。

でも、それは理屈。そう言われると、
「ああ、わかる気がする」とは思うけれど、
しばらくして「なぜなんだろう?」と疑問が膨らみます。

苦しい時、辛い時、どうしようもなく心の置き所がない時、
神社やお寺に行かなくても、手を合わせて、
「どうか救ってください」
とか、
「おかげさま、おかげさま」
と唱えると、スウッ~心が軽くなるから不思議です。

さて、観光客で賑わう京都の新京極通の蛸薬師堂を訪ねました。
正式名称は「浄瑠璃山 永福寺」。御本尊は蛸薬師如来様で、
身体健全や病気平癒にご利益があるとされています。

その境内に何枚もの張り紙がしてあり、目に留まりました。
コピー用紙のようなものに、サラサラッと手書きしたものです。
おそらく、ご住職が書かれたものでしょう。
————————-
汚れ仕事は 男の役目
憎まれごとは 男の仕事
やりきれなさと 仕方なさに
————————-

・・・なるほど、なるほど。ふむふむ、よく理解できます。
私もサラリーマンをしていた頃、部下から突き上げられ、上司から叩かれ、
「組織」というしがらみの中で、不条理と戦っていました。
きっと、ご住職が参詣客の悩み事の相談を受けられた時のものでしょう。
世の中には、「どうしようもないこと」があるものです。
でも、人に話を聞いてもらうだけでホッとするものですよね。

さてさて、その近くに、今度はこんな張り紙を発見。
「泣かないで キット うまくいくから」
さらにもう一枚。
「今は、苦しいけれど 全部うまくいくから」

またまた「フムフム」。
先の「やりきれなさと 仕方なさに」の人へのアドバイスでしょうか。
真偽は定かではありませんが、そんな気がしました。

さらに、さらに・・・。
壁伝いに歩いて行くと、こんな張り紙がありました。
————————-
探しものは見つかりましたか?
何かを見つけて下さい
————————-
う~ん、深い。
なるほど、なるほど。

人はお寺に「解決」を求めに来るわけです。
仏様に頼んで、この苦しみや悩みからどうか解放してくださいと。
でも、誰もが知っている。そんな神や仏に頼んだだけで、
一発で解決するわけがないことを。

結局、解決の答を自分で探さなければならない。
神や仏に、心を込めて願うことは、自分を見つめ直すことでもある。
そこで、この一言です。
「何かを見つけて下さい」

そして、ご本尊の前に来ました。
すると、財銭箱の前に、こんな張り紙がありました。
————————-
合掌
腹が立ったら たったままに
悲しかったら 泣いたままに
そっと手を合わします
————————-

はい、私も、そっと手を合わせました。
「おかげさま」
と、一言だけ、心の中で呟いて。
その時、思いました。
理屈なんてどうでもいいじゃないか。
なぜかわからないけれど、手を合わせるだけで、心が穏やかになれる。
不思議です。