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第1413号 ちょっといい話『「涙の数が多いほど、他人の痛みを理解できる」(後編)』志賀内泰弘

『PHP』誌に短編小説「八起きの人びと」を連載させていただいているご縁で、 PHP友の会情報誌『すなお』2017年新春号に、
【“幸せ”への道標】と題して巻頭インタビューを受けました。 前・後編と二回に分けて、転載させていただきます。今回は、その後編です。

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「『来るな』と言うから来たぜ」

実は二十年ほど前に、大病で入院したことがあります。
ただでさえ痩せている私がさらに十三キロもやせて、
点滴でベッドにつながれて動けない。
こんな姿は誰にも見られたくないと、
会社の人にも友達にも「見舞いには来てくれるな」と伝えていました。

ところが、学生時代の友達がひょっこり、やってきたのです。 「奥さんから、『来るなと言ってる』と聞いたから、来たぜ」
と笑顔で現れました。これが嬉しかった。
あんなに誰にも会いたくないと思っていたのに、です。
多分彼は悩みに悩んだでしょう。相当勇気が要ったと思います。
これが正解という答えがない中で、それでも
「なんとか励ましたい」という気持ちと素直に向きあい、
「来たぜ」と言って笑うという率直な表現を見つけ出したのでしょう。
そんな気持ちが感じられたから、私も嬉しいと思ったのではないでしょうか。

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「いいことを期待するより  コツコツとした積み重ねを」

近頃は、答えや結果を早く求めすぎる傾向にあると感じます。
たとえば、「掃除をするといいことがある」と考える人がいます。
これは答えを急ぐあまり、真ん中の大事なところを飛ばしてしまった考え方です。 いいことに至る前に、掃除をきっかけとして見えてくるものがある。
そこで心が変わり、発想が変わり、工夫をしたり、
仲間が増えたりという変化が表れる。
それが結果として、いいことにつながっていくわけで、
決して「掃除 イコール いいこと」ではないのです。 それに、いいことを期待して掃除をするというのでは、
その期待を実現するのは難しいようです。

コツコツとした行いの結果が出るのは明日かもしれないし、十年後かもしれません。
ところが、期待をして目先の利益を追う人は、すぐに結果をほしがるから、
それが実現しないと辛抱できません。すると、掃除を続けることができなくなって、
結局何も変わらないということになってしまいます。
早く出世したいとか、早くお金を儲けたい、早くいい家に住みたいと思うのも人情でしょう。
でも、急いで結果を求める人より、いつの日か実るものがあるだろうと思いつつ、
「誰かが喜んでくれたらいい」という思いで空き缶を一つ拾ってみたり、
道に迷っている様子の人に「お困りですか」と声をかける、
車を運転していて渋滞になったときに一台入れてあげるといったことを、
見返りなく続けられる人こそ、幸せになれるのではないでしょうか。 自らの命をなげうって誰かを助けるほどのことは、
なかなかできるものではありません。
けれど、もっと身近で小さな親切なら、誰にでもできるはずです。
そこで、身の回りの親切な人を見つけましょうというのが、
私が代表を務めている「プチ紳士・プチ淑女を探せ!」運動です。 プチ紳士・プチ淑女とは、つい見過ごしがちな小さな親切をする人のこと。

町中で見かけた親切な振る舞いや、こんなことをしてもらって
嬉しかったというエピソードを集めて発信すると「僕も見かけた」「私にもあるわ」
とさらに多くの小さな親切の情報が集まってきます。
親切な人を探して、次は自分がまねをする。
そうすることで世の中を思いやりでいっぱいにできるといいなと思っています。 本誌読者の皆さんもぜひ、「プチ紳士・プチ淑女を探せ!」運動にご参加ください。

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