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第1495号 ちょっといい話『新刊でました!「5分で涙があふれて止まらないお話七転び八起きの人びと」』志賀内泰弘

時は、バブルの坂道をゆっくりと登り始めていた頃の話です。
大学を卒業し、就職したばかりの私は、意気揚々として仕事に、
遊びにと充実した日々を送っていました。
多少の仕事上のトラブルはありましたが、
人生において最も順風満帆な時期であったと思います。
 
ある日、食卓で母親が唐突に言いました。
「あんたねぇ、人生苦労しないとバカになるよ」
急に何を…とは思いましたが、口答えするのを留まりました。
それは、母親が「苦労三昧の人生」を送って来たことを知っていたからです。
 

私には、三つ年下の弟がいます。心身ともに重度の障がいがあり、一人で生活ができない。
そのため、母の人生の大半は弟の世話で占められていました。
その上、さらに苦難に見舞われたのです。
父親が肺炎で入院し、祖母は寝たきりになり、
母親は三人の面倒をみることになったのです。
ついには、介護で腰をやられ、自らも動けなくなってしまいました。
 
その後、祖母が他界し父親は快癒。
しばらくして弟も施設に預かってもらえることになり、
母の苦労は、ようやく息をつきました。
でも、若いということは、愚かということらしい。
母の気持ちは十分に理解できていたはずなのに、
その時の母の言葉は私の耳を素通りしていきました。
 
それから10年後。
私は、上司からの理不尽な指導で悩むことになります。
今で言う「パワハラ」でしょうか。
2年間、耐えに耐え、あげくにストレスから内臓が
ボロボロになって倒れてしまいました。
出血多量で生死を彷徨ったものの、
4か月間の治療へ経て社会復帰でききました。
人生において、初めての「苦労」を経験したのでした。
その時、母の言葉が蘇りました。
「人生苦労しないとバカになるよ」
苦労なんてしたくはないけれど、辛い目に遭ったおかげで、
得たものがありました。それは、「思いやり」です。
 
以前の私は、エゴで傲慢な人間でした。
ついつい人に居丈高な態度で接してしまっていました。
それが人生に躓いたおかげで、僅かなりとも人に優しさを
持てるようになれたのです。また、ハンデのある人の気持ちを察することも。
(もちろん、まだまだたくさんのエゴを抱えて苦しんではおりますが・・・)
 
さて、月刊「PHP」に連載していた連作短編小説が、一冊の本になりました。
全文を加筆修正したうえ、新たにプロローグとエピローグにあたる
「飛び切り」の物語を2本新たに書下ろしました。たっぷり、18本。
 
サラリと「読者を泣かせて下さい」という編集長の注文に、
七転八倒して書き上げました。
(鬼のような編集長の顔が今もチラチラします)
そして、
「5分で涙があふれて止まらないお話
七転び八起きの人びと」(PHP研究所)が出来上がりました。
http://www.giveandgive.com/info/shiganai.html
 
 
この本の中には、心に「傷」を持つ人たちが登場します。
小姑に意地悪をされたお嫁さん、
ケガをしてスポーツ特待生をはずされた高校生、
借金苦から死のうとする経営者、
息子を交通事故で亡くした父親などなど・・・。
 
誰にも、人に言えぬ苦しみがあります。
誰にも語らず、ただただ頑張っている。
そういう人に共通することが、二つあります。
 
一つは、「あの時があったから、今の幸せがある」という
「感謝の心」を身に着けているということ。
そして、今一つは・・・。痛みを味わったことのある人は、
人の「痛み」がわかるということです。
大袈裟かもしれませんが、命を削って書きました。
今、さまざまな「苦労」の真っただ中にある方たちの心に、
一瞬でも温かな春風を吹き込むことができたらと思います。
 
 
「5分で涙があふれて止まらないお話 七転び八起きの人びと」(PHP研究所)
http://www.giveandgive.com/info/shiganai.html