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第881号 ちょっといい話『おしぼり物語~後日談』志賀内泰弘

以前、このメルマガの819号で、こんなお話を照会させていただきました。 愛知県豊橋市のある食品メーカー(本社は東京)にお勤めのペンネーム・フラワーさんからの投稿です。

フラワーさんが、会社の配送所を通りかかると、 運送会社のドライバーさんがぐったりとしてしゃがみ込んでいました。 猛暑の中、荷物の積み下ろしで全身汗だく。フラフラになってしまったのでした。

フラワーさんは、ドライバーさんに、おしぼりと飲み物を提供しようと思い立ちました。 フラワーさんは、まず、リサイクルショップへ行き、冷蔵庫を買いました。 1万数千円で買うことができました。次に、100円ショップで布巾30枚を買いました。

濡れた布巾と、朝、大目に淹れたお茶のポットや、スポーツドリンクも冷蔵庫へ入れました。 全部、自腹です。そして、ドライバーさんたちの控室に貼り紙をしました。 「ドライバーさん、いつもありがとうございます。  冷たいお茶とおしぼりをご用意してありますので、ご利用下さい」

きっと、ドライバーさんたちに感謝されたに違いない。 そう思って、「ありがとう、って言われるでしょ」 とフラワーさんに尋ねました。すると、フラワーさんからは意外な答えが返って来ました。

「いいえ、一度も『ありがとう』って言われたことがないんです。 というのは、私は人事課で働いているので、仕事中にドライバーさんと接する機会がないのです。 でも、夕方に、使い終わったおしぼりを入れておくカゴを見ると、山盛りになっています。 それを見るたびに、『ああ、喜んでもらっているんだなぁ』と嬉しくなるんです」

率直に尋ねました。 「相当、お金がかかるんじゃないですか?」 と。少しでも節約するために、スポーツドリンクの粉末を買ってきて、 水に溶いて作っているそうです。毎日、2~3リットル。月に4千円くらいかかるといいます。 ご主人もお子さんもいらっしゃるとのことなので、心配になり、 「ご主人は反対されませんか?」 と尋ねました。 「実は主人も同じ会社の社員なんですが、何も言いません。  たぶん、私が言い出したら聞かない性格だということを知っているからでしょう」 とニッコリ。

その後、ドライバーさんたちが喜んでいる様子を見て、 会社の同僚たちが自宅からジュースを持って来て 黙って冷蔵庫に入れておくようになったそうです。

「私は、三日坊主のことが多いのですが、もう何か月も続いています。  これができるのは、人に喜んでもらうことの嬉しさを知ったからだと思います。  こういう気持ちから沸き起こるエネルギーは、計り知れないと自分でも驚いています。  『人のために』ということの味を知ってしまいました。今後も続けていまきす!」

 ・・・とういうお話です。

それから3か月ほどが経ったある日のこと。 再び、フラワーさんから手紙が届きました。 それを読んで、小躍りしそうなくらい嬉しくなりました。 そこには、こんなことが書かれていました。

「スポーツ飲料のお金を会社が負担してくれることになりました。  それまでは、少し意地を張っていて、『自分でやる!』と思っていましたが、  本当にドライバーさんたちのことを考えると、ずっと続けていくことが大切。  これで、懐具合のことを心配しないで続けられます」

と。フラワーさんも素晴らしいけれど、その行動を陰で見ていて認めてくれた会社も素晴らしいですね。

この会社の名前は、有楽製菓株式会社という会社です。 この会社名をご存じなくても、作っているお菓子の名前を聞いたら、 「ああ!」 と言われる方も多いかもしれません。

「ブラックサンダー」 というチョコレート菓子です。 たぶん、全国どのコンビニでも扱っている、知る人ぞ知る人気商品。 体操の内村航平選手が大好きで、ロンドンオリンピックで個人優勝したときには、 母親が花束の代わりに贈ったというエピソードでも知られています。

人気ヒット商品の陰に、「おもいやり」のある社員さんがいる。 ぜひ、社長さんに会いたくなってしまいました。