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小冊子_表紙「ギブギブ」

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第1090号 ちょっといい話『サービスエリアの花屋さん』志賀内泰弘

ネクスコ中日本さんの研修会で講演させていただきました。 その際、お客様からの届いたサンキューレターを教えていただきました。 ちょっと心憎い「気遣い」で、なんだか嬉しくなりました。 ここに紹介させていただきます。

    *    *    *    *

その日は、子供会の遠足でした。 小学生の娘が帰宅するなり、 「お母さん、いつもありがとう」 と、私にカーネーションを差し出しました。その日は母の日でした。 「あら、ありがとう、キレイね」 と言い受取りましたが、それに答える間もなく、 お風呂場へと走って行きました。

どうしたのだろう、と見に行くと、珍しいことに掃除を始めたではありませんか。 あまり大きな声で言えませんが、家の手伝いなど普段あまりしてくれません。 それなのに・・・。 夕食の時、 「さっきは、お風呂掃除ありがとう。どういう風の吹き回し?」 と、少しからかうように尋ねました。すると、娘は目を輝かせながら話はじめました。

遠足の帰り道、休憩で高速道路のサービスエリアに立ち寄った時の事。 その中に花屋さんがあり、カーネーションの花束が目に留まったそうです。

花束には、カスミソウがあしらってありました。 娘は、母親である私がカスミソウが大好きなことを知っています。 そこで、母の日のプレゼントに買って行こうと思いました。 値札を見ると、1200円でした。

でも、財布には、1150円しか残っていませんでした。 遠足に行くために、特別にあげた2000円のお小遣いの残金です。 あきらめきれずに、娘はバスの出発時間ギリギリまで、 カーネーションの前で見つめていたそうです。 すると、お店のお兄さんに声を掛けられました。 「母の日のプレゼントかな?」 「はい」 「ひょっとしてお金が足りないのかな?」 娘は、お金を財布から取り出して、50円足りないことを話しました。すると、 「じゃあ、足りない分は僕が出してあげるよ」 と言ってくれたのです。 驚いて顔を上げると、お兄さんはニッコリ笑って花束を差し出して、こう言ったそうです。 「でも、その分、お母さんのお手伝いをするんだよ」

不足分のお金を出して下さっただけでなく、 そんな温かな一言を添えていただいたことに感動しました。

すぐにお店に電話をしましたが、その方はお留守の様子。 そこで、こうしてメールでお礼を申し上げます。ありがとうございました。

近く、私もお礼方々、花を買いに伺いたいと思います。 花屋のお兄さんに、どうかよろしくお伝えください。

    *    *    *    *

どうやら、このお兄さんは、アルバイトのようです。 そして、お店として「オマケ」したのではなく、 お兄さんが自腹で50円を負担されたのです。

それだけでなく、「お母さんのお手伝いをするんだよ」の一言。 なんて温かな心の持ち主でしょう。

その一言を正直に受け取って、帰るなりすぐにお風呂掃除をする子供も素晴らしい! ただで、「お金をあげる」と言われたら、「めぐんでもらう」ようで、 子供にしても受取りにくいかもしれません。 「ああ、こんな手があったか」と感動しました。