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第1727号 ほろほろ通信『栗きんとんの作り方は』志賀内泰弘

名古屋市熱田区の大矢美智子さん(62)のところに、日進市に住む娘さんから電話がかかってきた。「お母さん、栗きんとんの作り方を教えて」。男の子のお孫さんが、学校の帰り道に栗を拾って来たのだという。

娘さん家族が、お婿さんの転勤で横浜市から引っ越して来たのは6年ほど前のこと。小学校がすぐ近くにあったので、当時4歳だったお孫さんが、将来通学に便利だということから住まいを決めた。ところが後に、目の前の道路を境にして学区が異なることが判明。2km以上も離れた小学校に通うはめになってしまった。

最初はずいぶん心配していた。道草をしながらだが、通学に1時間以上もかかった。でも、間もなく思わぬ効果に気づいたという。周りは田んぼや畑があり、小川が流れている。自然がいっぱいだ。そこで遊びながら帰ってくる。けがをしたこともあるが、以前よりずっと体が丈夫になったのだ。

そこへ「栗きんとんの作り方は」という電話である。お孫さんが友だちと一緒に、自生している栗を毎日拾ってきた。売っているものに比べれば小ぶりだが、十分食べられる。大矢さんはその昔、娘さんと一緒に栗きんとんを作ったことがある。娘さんはそれを思い出し、自分も子どもに作ってあげようと思ったのだ。小学校4年になった当のお孫さんも「学校は遠い方がいいよ」と言っているそうだ。

<中日新聞掲載 2008年11月30日>