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第1719号 ほろほろ通信『四代続く「ありがとう」』志賀内泰弘

小牧市の小河原けさ江さん(58)からこんな話が届いた。小河原さんの81歳になる母親は、昔から「ありがとね」が口癖だったという。「あんたがいるから生きていけるんだよ。私の娘でありがとね」と。「ありがとね」は故郷の長野市の言葉だそうだ。つらい時こそ「ありがとね」と言う。今でも、実家を訪ねて枕を並べて寝ると「ありがとね」と口にする。

85歳の父親も同じだ。その年代にしては珍しく、妻や子どもに対しても命令口調は使わない。何かものを頼む時でも「やっといてくれや」の後に「ありがとう」が付く。出兵した時、上官の暴力や暴言が目の余るものだった。そういう人にはなるまいと決めていたからだという。

さて、母親はなぜ「ありがとね」が口癖になったのか。それは、祖母が同じように「ありがとね」と言っていたからだそうだ。気になり「お子さんたちはどうですか」と聞いてみた。20歳を過ぎた二人のお子さんも人並みに反抗期もあったが、洗濯やご飯の支度にも「ありがとう」と言ってくれていた。「感謝の心は口にして初めて伝わるものだと思います」と小河原さん。ごく当たり前のことにでも感謝できる気持ちは、代々引き継がれている。

<中日新聞 2008年09月07日>