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第1702号 ほろほろ通信『宝物の言葉』志賀内泰弘

絵手紙が人気だ。そこに添えられる文字も魅力の一つ。阿久比町の絵手紙教室講師・千田喜代江さん(64)も、日ごろから心に響く言葉探しをしている。
千田さんは二年前にお父さんを亡くされた。一人暮らしになったお母さんは寂しそうだった。その上、足を痛めて歩くことが少々困難になってしまった。幸い近くに住んでいるので、千田さんが毎日のように出掛けて食事や風呂の世話をしている。時折、連れて帰りそのまま泊まっていくこともある。大変な毎日だが、近所に住む人たちのさまざまな気遣いに救われている。

夕方になっても明りがつかないと心配してのぞいてくれる人。食事のおかずを届けてくれる人。「元気かね」と声を掛けてくれる人。お母さんは笑顔で「ありがとう」と応える。家の中でふさぎ込んでいるとき「おてんとうさんが出ているから外へ出ていらっしゃいよ」と誘い出してくれる友人もいた。

そんな中、千田さんはあちこちですてきな言葉たちに心を引かれた。「朝は希望に起き、昼は努力に生き、夜は感謝に眠る」「与えても減らぬ親切。残る徳」。これらは武豊町の大日寺の門前に張り出してあったもの。絵手紙の生徒さんが絵に添えた言葉にも励まされた。「大丈夫、だいじょうぶ。みんな仲間。ひとりじゃないよ負けないで」。元気をもらった。千田さんも自作の仁王様の絵に一言。「一生懸命生きているか。感謝の心はあるか。道は続く」。たった一言が心に染みるもの。あなたにも宝物の言葉がありますか。

<中日新聞掲載 2008年3月30日>