たくさんのいい話をたくさんの人に読んでもらいたい・届けたい・広げたい【運営】プチ紳士・プチ淑女を探せ!運動

無料メールマガジン
いい話を読む
いい話を投稿する
みなさんの感想
いい話グッズ購入

いい話を読む

第1664号 ほろほろ通信『山小屋でのおもてなし』志賀内泰弘

「幼なじみが海外旅行に出掛けたときの土産話を聞いてください」と、
豊田市の久野和枝さん(69)から投稿をいただいた。
その幼なじみは、友達三人でツアーに参加した。
他の人たちも家族や友人と言うグループだ。

ところがその中に個人参加の八十代の男性がおり、空港での出発時から、
すり足でゆっくりゆっくり歩く。足が不自由で団体行動が難しい様子。
三人のうちのAさんが「ねえ、私たちであの人を助けてあげようか」と言い出した。
あとの二人も「いいね、そうしよう」と、早速声を掛け、
食事や移動をずっと共にした。

おなかの具合が悪いというので胃腸薬を分けてあげたり、
観光スポットでは車いすを借りたりして、無地に帰国できた。

さて、中部国際空港での解散時のこと。その男性から
「楽しい旅ができた。お礼がしたいので、わしの山小屋へ来てくれんかな」
と言われた。三人は固辞したが「ぜひ」と言われて甘えることにした。
待ち合わせの日時に名古屋の金山駅に出掛けると・・・。
そこには高級車がお出迎え。
中央自動車道をひた走り、着いたところは山小屋どころか大邸宅だった。
食事の他、茶室で茶のおもてなし。
広い敷地にはいくつもの建物や露店風呂、ゴルフ場まである。
普通のおじさんと思っていたら、実は裕福な会社の会長さんだったのだ。

「Aさんは、一人暮らしのお年寄りなどの支援活動を長く続け、
自分のことは二の次の人生を歩んでこられた人。
今回、やっとのことで旅行に参加できたのだと聞きました。
『情けは人のためならず』と言いますが、まさしく天からのご褒美だと思います。
あらためて人に優しくすることの大切さを学びました」と久野さんは話す

<中日新聞掲載2018年4月15日>