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第1660号 ほろほろ通信『無人駅で出会った駅員さん』志賀内泰弘

蒲郡市の多賀恵美子さん(80)の住まいは、山ばかりの田舎町。二月になると毎日、ウグイスの鳴き声を聞くのが楽しみだという。空気もおいしく、散歩に出掛けるとひょっこりキジの夫婦に出くわす。

自然はいっぱいだが近くに店が少なく、買い物をするには電車に乗らなければならない。その名鉄西尾・蒲郡線は乗客が減り廃線の危機にある。ご多分に漏れず、多賀さんの最寄りの駅である三河鹿島駅も、無人駅だ。

ある日のこと、買い物の帰りにホームに降りると、制服を着た駅員さんが、いすをしゃがんで拭いてくれている姿を見かけた。他の駅から来てくれたのだろう。

多賀さんは日頃から
「雨風にさらされているのに、なぜいつもきれいなのだろう」と、気になっていた。立ち止まり「いつもありがとうございます」とお礼を言った。
するとその駅員さんは、掃除の手を止めてパッと立ち上がり、温かいお言葉、ありがとうございます!」と言い、お辞儀をされた。これには感動してしまった。

蒲郡市では、路線が存属するように、沿線住民らが「市民まるごと赤い電車応援団」という市民活動をしている。
そんな中、
「利用者のために陰で黙々と掃除をしている駅員さんがいることも知っていただきたくて筆を執りました」と話す。
さらに
「駅員が駅の掃除をするのは当たり前と言えば当たり前なのかもしれません。でも、温かな人柄がにじみ出てくるような丁寧な言葉遣いと態度でした。鉄道と乗客を愛する気持ちの表われでしょう。駅員さん、ありがとうございます」とも。

<中日新聞掲載2018年4月8日>