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第1631号 ほろほろ通信『ヒゲの佐藤さん、知ってるよ』志賀内泰弘

一昨年の九月、内藤文菜さん(23)は
瀬戸市の幡山東小学校の養護教諭として赴任した。
いわゆる「保健室の先生」だ。担任を持たないので、
子どもたちの顔と名前を覚えるのに苦労した。

そんな中、廊下に何枚もの写真が張り付けてあるのが目に留まった。
それは、産休に入った前任のA先生が作ったものだった。
大勢の男性が後ろ向きになっている集合写真だ。

「おや?」と思ってよく見ると、下にもう一枚ある。
上の写真をめくると、前向きの写真が出てきた。
保護者の父親などが中心となって作る
ボランティア「輪の会」のメンバーだった。
校舎の修繕や清掃をしてくれている。

さらに、40人の顔写真がズラリと並ぶ。
「青パト」と呼ばれる地域防犯のボランティアの面々だ。
またまた上の写真をめくると、一人ひとりの名前とメッセージが出てくる。
「車に気を付けて」とか「みんなと会うと元気になるよ」と。
A先生がクイズ形式で手作りしたものだ。

その掲示板の前では、子どもたちのこんな会話がなされているという。
「ヒゲの佐藤さん知ってるよ」「僕はこの前、山田さんとコンビニで会った!」などと。

「朝夕、通学路で子どもたちを見守ってくださる
『青パト』の方々の名前と顔を知ってもらうことは、
何より大人と子どもの信頼につながり、そこから交流も生まれます。
ヒゲの佐藤さんは、名前を覚えてもらいたくてヒゲを生やしたと伝え聞きました。
大勢の子どもが知る有名人です。それもこの掲示物のおかげ。
私もA先生を見習って、さらに工夫を凝らした掲示物を作りたいです」
と内藤さんは意気込みを話す。

<中日新聞掲載 2018年2月4日>