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第1539号 ほろほろ通信『ツマラナイモノデスガ』志賀内泰弘

名古屋市中区の堀美利さん(59)は、エンジニアや通訳などの人材を
海外から日本に招く会社を営んでいる。
これまで、外国で大勢の人にお世話になってきた。

「何か恩返しをしたい」と思い、春休みや夏休みの短期間、
留学生のインターンシップ(就業体験)を
自身の会社で受け入れることにした。
社員の営業に同行させ、時に相手先企業の見学もしてもらう。

ある時、中国からの留学生Gさんがインターンシップ最終日、
堀さんのところへ挨拶に来た。
「ツマラナイモノデスガ」と言い、菓子箱を差し出した。
そんな言い回しを、どこで覚えたのか。
国や県なども、日本のビジネスマナーの研修をしているが、
教えていないらしい。

その後も、ベトナムのSさん、中国のTさんなど何人もが
「ツマラナイモノデスガ」と言って、お礼の品を持って来た。
どうやら、留学生の間では、日本人特有の「へりくだる」表現が
浸透しているらしい。

留学生Aさんは、美しい色紙をプレゼントしてくれた。
色鮮やかな花や鳥の絵で漢字を描く「花文字」という中国の伝統芸術で、
「商売繁盛」とあった。またまた「ツマラナイモノデスガ」と。

堀さんの会社名が為書きされており、
特別にあつらえたものだと分かった。
「つまらない」どころか、心がこもっていて感激してしまった。

「『ツマラナイモノ』と言って渡された物で、
つまらないものは一つもありません。
これからも留学生を、自分の子どものような気持ちで
お世話していきたいと思います」
と堀さんは話す。

<中日新聞掲載2017年8月06日>