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第1507号 ほろほろ通信『自分が元気になれるボランティア』志賀内泰弘

名古屋市北区の大沼正明さん(83)は、
高齢者を支援するボランティア団体「清水なかまの家」で働いている。
ここの主な活動に、「お達者弁当」と名付けた配食サービス事業がある。
運営も全員が高齢者だ。

大沼さんは、その配達を担当している。
食事作りが困難な人に、週三回、車で手作りの夕食を届ける。
その多くは一人住まいの六十代から八十代の人だ。

たまたま友人が事情でボランティアを辞めることになり、
頼まれて始めたのがきっかけだった。
気付くと十年もたち、いつしか自分よりも
年下の人への配達が多くなってしまった。
しかし、上には上がいる。ボランティア仲間のIさんだ。

なんと御年八十九歳。八十二歳の時に始め、
現在は週に四日、自転車で配達している。
雨や雪の日には相当苦労があると思われる。
とても元気で、新年会の余興で披露した
相撲甚句の声の大きさには驚いてしまった。
股割りができるほど体も柔らかい。

大沼さんは、いつも早めに出掛けて配達先でおしゃべりをする。
それには「お変わりありませんか」とご機嫌伺いする意味もあるのだという。

「人のために役に立ちたいと思って始めました。
でも、配達先で話が弾むと自分も元気になります。
ボランティアの仲間と話ができるのも楽しい。
家にいると、ついついテレビばかり見て過ごしてしまう。
でも、体と頭を使うことでボケ防止にもなります。
情けは人のためならず。
結局、与えることよりも、もらうことの方が大きいのです。
尊敬するIさんの年齢まで続けることを目標に、
まだまだ頑張りたいです」
と大沼さんは話す。

<中日新聞掲載 2017年6月11日>