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小冊子_表紙「ギブギブ」

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第1441号 ほろほろ通信『ちゃんと、できてるじゃん』志賀内泰弘

建設会社に勤める知多郡阿久比町の寺澤友介さん(33)が、
入社の六年目にぶつかった「壁」の話。

初めてマンション工事の責任者を任され、不安の中、現場に赴いた。
それは想像を超えるハードな仕事だった。
図面、工程、施主対応、安全、環境、品質、
原価と管理することが山ほどあり精いっぱい、
中でも、設計事務所との調整がプレッシャーとなった。

そもそも初対面の年配の設計士さんからは
「若くて経験が浅い」と不信感を抱かれ、
話が思うように進まない。
完成したら、退職しようとまで思いつめてしまった。

夜遅くにまで及ぶ仕事。
休日も不安で、気付くと現場に足を向けていた。
つらい日々が続くある日のこと。
親しい先輩に電話で「もう辞めます」と口にしていた。

すると、その先輩が別の離れた現場から飛んできてくれた。
そして寺澤さんの現場を見るなり一言。
「ちゃんと、できてるじゃん」。
とたんに張りつめていた心がほぐれ、元気が出たという。

多くの先輩に支えられ経験を積むうちに、
いつしか自分が後輩たちの話を聞く立場になっていた。

つい先日の休日。
早朝五時に部下から電話が入り目が覚めた、
その前にも着信履歴がある。慌てて電話すると
「大きな問題が起きてしまいました」と気が動転している様子。
急ぎ駆け付けて話を聞く。すると「あの日の自分」にそっくりだ。

「若い頃は、小さなことも大きく考え込んで悩んでしまうものです。
 その後輩に『まあ、頑張ろうよ』と言い肩をたたくと、
 ほっとして涙を流しました。
 その瞬間、あの日の先輩に一歩近づけたかもと思いました」
と寺澤さんは話す。

<中日新聞掲載 2017年2月5日>