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小冊子_表紙「ギブギブ」

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第1438号 ほろほろ通信『おばあさんのピースサイン』志賀内泰弘

豊田市の井郷中学校では、地域貢献ボランティアに取り組んでいる。
どこへ出掛け何をするかは生徒の自主性に任せる。
だが、校長の鈴木正則さん(56)は、
活動日の十二月二十一日を前に不安を抱いていた。

ボランティアを申し出ても、親切の押し売りになるのではないか。
反対に気遣われたりするのではないかと。
そんな中、三年生の五人(林英知さん、青木峻馬さん、鈴村健斗さん、田口すみれさん)は、
お年寄りのために何か役に立てないかと考えた。
たまたま渡辺さんが以前、高齢者介護施設でボランティアをしたことがあり、
そこでの体験談をみんなが覚えていたことがきっかけだった。

早速、地域包括支援センターで一人住まいの七十歳代のおばあさんの家を教えてもらい、
五人で出掛けた。まず「何か困っていることはないですか」と尋ねた。
足が不自由で庭のそうじができないと聞き、一時間半かけて草取りをした。
つる草が伸び放題になっており、かなり難儀をした。「他に何か?」と尋ねると
「ガラス拭きをお願いできるかな」と頼まれ、ピカピカになるまで磨いた。
おばあさんはアイドルグループ『嵐』のファンだそうで、
終わった後、おしゃべりに花が咲いた。

鈴木さんは後日、そのおばあさんに「ご迷惑をおかけしませんでしたか」と尋ねた。すると…。
「何をしてほしいか聞いてくれたのがうれしかったです。
でも一番は孫と同じ年頃の子たちと話しができたことです。
ありがとうございます」とお礼を言われた。

「おばあさんが生徒たちの真ん中でピースサインをしている記念写真を見て、
私の心配は杞憂だったと思いました」と鈴木さんは話す。

<中日新聞掲載 2017年1月29日>