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月刊誌プチ紳士からの手紙






小冊子_表紙「ギブギブ」

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第1439号 たった一言でコンテスト★ニコニコ賞★「私には、聞こえてますから…」

<掲載時のお名前>氷流さん
<年齢>28
<性別>男性
<住所>宮城県

<心に響いた「たった一言」>
「私には、聞こえてますから…」

<「たった一言エピソード」>
就職してからがむしゃらに働き、気が付けば30間際になっていた。そんな折会社からの転勤の打診、正直どうしようか迷っていた。
はっきり左遷のような状況で、転職するにもいい年だったが、それでも今まで頑張ってきたのだからせめて結果を残してからやめようと思いおとなしく転勤することにした。

このときはまだ、なにくそと思い仕事を頑張っていた。しかし、慣れない土地、慣れない仕事でしばらくするうちに精神的な疲れかあまり眠れない夜が増えてきた。

私はもともと滑舌が悪く、声が聞き取り辛い。慣れてくればそうでもないのだが会ったばかりの人には声が聞き取って貰えないことも多い。

転勤先の職場では以前に増して喋っている最中に聞き返されることが多くなり、普段であればそう気にもしない事だが、精神的に参っていた私は地味にストレスの溜まる状態が続いた。

転勤までして何か意味があったのだろうか?
別にここに私はいる必要はないのではないだろうか?

そんな考えを抱きながら日々を送る中、女性職員と話している時に申し訳ないとは思いつつも愚痴をこぼしてしまっていた。

その時は当たり障りのないことを話していたのだが、その女性が帰り際一度立ち止まってこちらを向き、
「私には、聞こえてますから・・・」
と言って少し慌てながら、お疲れ様ですとだけ残し帰っていった。

最初は何を言っているのか分からなかったが、意味を理解した途端に肩の力が抜けた。その言葉に深い意味はなかっただろう、だがただ嬉しかった。

その後しばらくの間は、何となく気恥ずかしくその女性と話をするたびに中高生のように顔を背けたりもして違う意味でしんどかったが、相変わらず知人の少ない土地ではあるが転勤前と変わらずに元気に楽しくやれている。

本人は覚えてなどいないかもしれないが、いつかこの地を離れることになるか、もう少し親しくなったら感謝の気持ちを伝えたいと思う。それまでは恥ずかしくてとてもじゃないが言葉にはできそうにないが。