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第1678号 ちょっといい話『買うの、やめとき!』志賀内泰弘

人は、どういう時に相手のことを信用するのでしょうか。その一つは、自分の事を「損得抜き」の間柄だと思ってくれていることがわかった時だと思います。

仕事が忙しいのにもかかわらず、仕事を早退してまでお見舞いに来てくれたり、頼んでもいないのに、
「アイツから聞いたけど、店の経営が思わしくないそうだね。対して役に立てないだろうけど、何でも言ってくれよ」
と声を掛けてくれたり。

そういうことは、友達同士での付き合いのことですが、
「商い」を通してでも、「ああ、この人は、損得抜きで私のことを考えてくれている」と思い、信用することがあります。

手元に、「街の元気屋さん 心がほろっと温まる『街のでんきやさん』の話」(PHP研究所)という本があります。
この「元気屋(電器屋)さん」とは、全国の「パナソニックのお店」のことです。
そう、社名変更前は「ナショナルのお店」。松下幸之助さんが作った松下電器の販売店です。

このパナソニックのお店を取材し、お客様との「いい話」を綴った本です。その一つ、大阪府堺市の「フラグシップキョウェイ」さんのエピソードを紹介しましょう。

ある日、このお店にテレビを買いたいとお客様がやってきました。
「いっちゃん大きいのを買うたるわ!」
と言って。ところがです。
「やめとき!」
と言われてしまいした。それが嬉しくて、そのお客様は、そのお店をますます信頼するようになりました。

二代目店主の田池大輔さんいわく、
「あの部屋に置くのに、アレは大きすぎるわ。かえって見づらい、目わるくするわ。僕がすすめたほうで正解やったろ」
そして、こう続けます。
「このあたりにも量販店さんがいくつかあるし、いまはネットで買う人も増えてきている。そんななかで、いちばんお客さまのためになるご提案ができなければ、“街のでんきや”をやってる価値がないと、僕は思っているんです」

ここで、「あっ!」と膝を打ちました。これって、幸之助さんの教えに通ずるんじゃないかと。有名な幸之助さんの言葉をいくつか掲げさせていただきます。

「商売は、世のため人のための奉仕」
「売る前のお世辞より、売った後の奉仕」
「お客さまの好むものを売るな。お客さまのためになるものを売れ」
「商売とは、感動を与えることである」

まさしく、まさしく。これらの「魂」は、「フラグシップキョウェイ」さんの「商い」の姿勢に、脈々と生きているのですね。

実は、志賀内も、家電製品のほとんどを「街のでんきやさん」で購入しています。あいにく、パナソニックさんではなく、三菱さんのお店ですが、こと全く同じです。
「これのサイズで充分」
「余分な機能は必要ないですよ」
「直せば、まだ使えます」
何度、そう言われたことか。

それだけではありません。蛍光管1本切れても、取り換えに来てくれるのです。(さすがに申し訳なくて、取りに伺うようにしていますが・・・)

「安さ」をウリにするのも「商い」の大切なポイントです。でも、価格だけではない。損得抜きのお付き合いができるお店が、すぐ近くにあることが、「幸せ」だと思えるこの頃です。そういうお店こそ、お金では買えないのですから。