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月刊誌プチ紳士からの手紙






小冊子_表紙「ギブギブ」

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第1347号 ちょっといい話『視覚障がい者の転落事故を思う(その2)』志賀内泰弘

なんとも痛ましい事故が起きました。 盲導犬を連れた視覚障がい者が、電車のホームから転落して 亡くなってしまったのです。 なんとかならなかったのか。 事故は防げなかったのか。 心が苦しくてたまりません。 先週に引き続き、 11年前、月刊紙「プチ紳士からの手紙」創刊号で書いた原稿を もう一つ紹介させていただきます。 障がい者と健常者が、バリアフリーで暮らせる世の中になることを切に願います。 設備や仕組みだけでなく、心の面でも。


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「白い杖の人の話・その2」

駅の構内で、白い杖の女性をヘルプしました
(この話は少し本誌準備号や小冊子「ギブアンドギブで上手くゆく」でも紹介しました)。

その女性をトイレまで案内する間に、思いもかけず会話が拡がりました。
その女性は、嬉しそうに、 「今ね、マッサージに行ってきたの」 と言います。なるほど、目の不自由な方にはマッサージや
鍼灸の仕事をしておられる人が多いようです。 「とても気持ちよくってね、名人だったね」(ええ・・・!?) 「マッサージしてもらったんですか?」 と訊くと、 「私ね、マッサージ荒らしなのよ」 と訳のわからない事を言い出しました。
こちらがキョトンとしている様子を察してか、続けて問わず語りに喋り出したのです。
確かに、自分はマッサージの仕事をしているといいます。
お客様の身体を治すのが一番の喜びだと。だから、日々研究を絶やさない。
西に肩こりを治す名人がいると聞けば飛んでいって、自分がやってもらう。
東に腰痛のツボを知っている指圧師がいれば、またまた教えを請いにゆく。
いつも良いという評判のマッサージ師を訪ね歩いているので、
同業者の間では有名になってしまったらしいのです。
その際、黙って技を盗むようなことはしないとも言います。
同業者であることを告げると、 「じゃあ今度は交代ね」 と言って、やりあっこする事もある。そして、 「いくつになっても勉強なのよ」 と。当たり前のようなことですが、忘れられがちなことでもあります。
よく聞くのは、自社の車に乗るのが常識という自動車メーカーの話です。
ライバルに塩を贈ることはしないというわけ。
しかし、普段ライバル車に乗っていてこそ、
自社の「良いところ」も「悪いところ」も見えてくるものです。
愛社精神という言葉もありますが、目先の利益と人情が優先してしまうと、
大切なことを見失うこともあります。 レストラン、スーパー、アパレル・・・などすべての業種にも同じことが言えるはず。
感情でライバル会社を敵視することからは何も産まれません。
人も会社も学び心は同じなのです。 人のためにヘルプしたつもりが、大きな「学び」を戴きました。 「しまった!」 別れ際に連絡先を伺うのを忘れてしまいました。
きっと名人に違いありません。
ぜひ一度、マッサージしてもらいたかったなぁ。

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