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◆志賀内の愛読新聞

第353号『病にかかって知った友達の温かさ(ちょっといい話)』志賀内泰弘

和歌山県の河野隆司さんからメールが届きました。

「プチ紳士・プチ淑女を探せ!」運動を立ち上げ当初から 応援して下さっている方です。

このところ、手紙を出しても返事がないなぁ、と思っていました。

「便りのないのは、無事の証拠」

と言うので安心していたら・・・。 たいへんなことになっていたのです。

それは、こんな内容でした。

*    *    *    *

昨年9月に思いもよらない病気で、 50日間の入院生活を余儀なくされました。

退院後、自宅療養に入った訳ですが、 まさか自分が病に倒れる等、夢にも思っていなかったのと、 ちょうど精神的にもかなり落ち込んでいた時期でもあり、 ショックの大きさは相当なものでした。

「いつ退院出来るのか?」 「ドクターストップがかかってしまった、  大好きな車の運転を再び出来るようになるのか?」

何より「果たして元の元気な自分に戻れるのか?」

有り余る時間の中、嘔吐と戦いながら考えるのは あまり良いとは言えない事ばかりでした。

そんな僕のふさぎがちな心を癒してくれたのは、

【如何に自分が素晴らしい人達に囲まれて暮らしていたのかを  気付かせてくれた時間】と、【2人の同級生の力】

がとても大きかったと感じています。

特に2人の同級生は僕が「こうしてくれ」とお願いした訳でもないのに、 それぞれの役割分担が決まっているかのように、 見事なタイミングで現れてくれました。

1人は仕事前、あるいは仕事帰りに 《ふらりと寄ったから、気をつかわなくてもいいよ》 とでも言うように顔をのぞかせてくれ、 僕のふさぎがちな気持ちを明るくしてくれました。

そしてもう1人は長年に渡り、 地元でケーキ屋を営む奴でした。

彼の滞在時間は決して長くはありませんが、 いつも必ず僕の髭を剃ってから帰るのです。

彼のその行為は看護士さんにまで広がる程でした。

「最近は血のつながりがあってもなかなか見舞いに来ない人もいる中で、  あなたは本当に良い友達を持っていますね」

と言ってもらった時の嬉しさと来たら。

実はケーキ屋を営む方の友人とは、 しばらく疎遠になっていたのに、 倒れたと聞いて、駆け付けてくれたのです。

彼らが言った共通の言葉は 「決して慌てないこと」でした。

「今無理して顔見せられても迷惑なだけだから、完全に治してから出て来い」

彼ら独特の言い回しで、僕を励ましてくれました。

病気になるまでは気付きもしなかった《人の想い》や《優しさ》に 触れることが出来たと言う点、自分にとって 本当に大切なものがしっかりと理解出来たと言う点では、 「悪い事ばかりでもなかったんだ」と思えたのです。

退院後、自宅に帰ってからも、彼らはふらりと顔を見せてくれます。

そしてその度、僕はまた、彼らの優しさを知るのです。

ありがとうございました。

*    *    *    *

河野さん、 急がなくてもいいですよ。 ゆっくり治しましょう。

私も大病をしたことがあります。 ついつい焦ります。 でも、今は神様がくれた「ちょっと一服」の時間です。

元気になったら、また会いましょう。

志賀内泰弘より。