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- 第 114 話 -  『高野さんはプチ紳士』 
「高野さんはプチ紳士」
                        志賀内泰弘


定期購読誌「プチ紳士からの手紙」で
好評連載中のリッツ・カールトン・ホテル日本支社長の高野登さんと
何度かご一緒させていただく機会に恵まれました。

六本木の居酒屋さんで飲んだときのことです。

会が始まると、10人くらいの参加者が
めいめいに飲み物の注文をしました。

ふと気がつくと、高野さんはいつの間にか
自分の席にアイスボックスとタンブラーとお酒の瓶を持ってきて、
バーテンダーに変身していました。

自分もお客さんなのに。

 「あ、志賀内さんはアルコールは飲めないんでしたよね。
  じゃあ、ウーロン茶ね!」

八丁堀のワインバーでの飲み会でのことです。

私は、その日のうちに名古屋へ帰らなくてはならず、
会が始まるときに

 「ごめんなさい。8時半に失礼しますね」

とみんなに挨拶しました。

さて、その8時半になりました。
高野さんに挨拶してから帰ろうと思ったのですが、
姿が見えません。トイレかな・・・。

仕方なく店の表に出ると、舗道に高野さんが立っていました。

 「志賀内さ〜ん。早く早く〜」

なんと、タクシーを捕まえに行っていてくれたのでした。

 「運転手さん、東京駅・八重洲口までお願いします」

高野さんの友人たち10人と
二泊三日で沖縄へ旅行に出掛けました。

現地ではマイクロバスに同乗して島内を巡ります。
観光スポットなどでバスを乗り降りする度に、
高野さんに声をかけられました。

 「荷物が邪魔でしょ。僕の横に置きましょう」

夜はホテルの庭でバーベキューでした。
ここでも気配り。

なんと、高野さんの作った焼きそばをみんなでいただきました。

(リッツの焼きそばです)

高野さんにこんな話をお聞きしたことがあります。

 「お客様に、最高のサービスを提供しようとすると、
  日頃の生活が肝心です。
  ホテルマンの心の中に、自然に人を喜ばせようという気持ちや、
  思いやりが育まれていないと、
  「いざ」というときに行動にはできません。
  ホテルの中で仕事をしているときだけでなく、
  普段の生活でも周りの人たちのことを気遣う思いやりの心が、
  世界一のホテルを生み出したのです」

高野さんはまさしくプチ紳士。
いや、プチじゃありませんよね。本物の紳士。

「親切」や「気配り」「思いやり」の心は、
遠回りのようですが、リッツ・カールトンのように、
企業の繁栄に結びつくのです。

ちょっと手前味噌な話になって恐縮ですが、
多くの経営者の皆さんが、
このメルマガや「プチ紳士からの手紙」を
愛読していただいている所以なのでしょう。



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