全国から、世界中から、心を癒してくれる「いい話」が届いています。ありがとうございます! プチ紳士を探せ!運動
home * ファンレター * 無料メルマガ * 商品一覧 * プチ紳士を探せ!運動 * 編集長!志賀内 * お問合せ
home >> いい話を読む - 第 83 話 -
- 第 83 話 -  『深夜の路上で』 

 『深夜の路上で』


この日、営業のM部長は伝票の〆に追われていた。
部下であるYさん(女性)が自ら手伝ってくれたのだが、
ようやく片付いた時には時計の針も夜の11時を過ぎていたため、
部長はYさんを駐車場まで送って行き、
礼を言いその足で帰宅の途についた。

夜8時頃までは、交通量が多くなかなか前に進まない道なのだが、
さすがにこの時間にもなると車も少ない。
スムーズに環状線の高架を過ぎようとした時、
部長の目に何か白い物が写った。

よく見ると4〜5才くらいの女の子が歩いているではないか!

 「えっ・・なんで?
  なんでこんな時間に子供が1人で歩いてんの?!」

そう思っている間にも車は進み、
女の子の姿が小さくなっていく。

 「これは絶対おかしい!」

しばらく進んでしまった車をUターンさせ、
女の子を探すがもう姿がない。

それでも30分ほどあちこち走ってみたのだが、
結局その子を見つけ出すことはできなかった。

「この近くの子ならいいのだが」と思いながらも、
とっさに車を止め、声をかけてあげられなかった自分を責めた。
家に帰っても、その子の事が頭から離れない。

翌日、営業朝礼の際、

 「実は昨夜こんな事があった。皆だったらどうする?」

と、質問を投げかけたところ、
昨日仕事を手伝ってくれたYさんが手を上げ、

 「その子、私が保護しました…」

部長は思わず、「え〜〜!!」

Yさんの話によると、部長が女の子を見かけた地点より
かなり離れた所で見つけたらしい。

随分歩いていたようだ。
Yさんも「これはおかしい!」と思い、
車を女の子の前に止めようとした。
すると女の子は反対側に逃げて行く。

(もし車にでもひかれたら)という思いが頭をよぎり、
急いで車を止め、ハイヒールのまま走ってその子を追う。

ようやく保護し、車に乗せた…。
5才と言うその子をYさんは深く追求もせず、

 「家まで送ってあげる。道はわかる?」

と聞くと、

 「わかる」

と答えた。
女の子の言うまま車を走らせ、
ようやく一建の家の前に着いた。
すると、今までしっかり受け答えも出来ていたその子が急に、

 「もうここでいい!もうここでいい!」

とあわてたような、おびえたようなそぶりをみせた。
親に叱られると思っているんだなと察したが、
Yさんも親の顔を見るまでは安心できず、
夜中の1時という時間に戸惑いはあったが、
思いきってチャイムを鳴らした。

出てきたのは確かにその子の母親だった。が…。
わが子を見て、その母親はたいそう驚いていた。
異常なほどに…。

Yさんがこれまでの経緯を説明している途中から、
母親の目からは涙が止まらなかったという。
実はこの子の両親は離婚してしまい、
この子は今、父親のもとで暮らしているとのこと。

なんとこの5才の女の子は、
母親に会いたい一心で深夜の道を1人で
お母さんのもとへと向っていたのだ。

でも、なぜこんな夜中に?

それは父親に「お母さんに会いたい」とも言えず、
父親やその家族が寝静まるのを待って会いに向ったのである。

皆さん、この話を聞いてどう思われますか?

私も胸を締めつけられる思いです。
本当の親子でありながら、
何でこんな小さな子が、
これほど辛い思いをしなければならないのでしょうか。

それと、後日部長が言っておりましたが、父親の住所は〇〇という所で、
その子はそこからずっと深夜の道を何キロも歩いて行ったわけです。

いくら深夜とはいえ、何十台、いや何百台もの車が
その子の横を通り過ぎたはず。
いえ、それはただ通り過ぎて行っただけなのです。

その中であの子を保護しようとした部長、
保護することのできたYさん。
何十、何百と通り過ぎていった人の中で、行動に出た二人、
その二人ともが我が社の人間であったことを、
同じ社員として誇りに思います。 

ですがこれは、心ある人間であれば誰しもそうするはずの事なのに、
それをしなかった人達、この人達はあの場面に遭遇しても
何も感じなかったのでしょうか?

あんな小さな子供が、夜中に1人で歩いているのを見ても
無関心でいられるとすれば、
それは人間としてとても悲しい事だと思います。

 >> いい話のTOP
   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *  
法令に基づく表記プライバシーポリシー運営・管理者お問合せ copyrights(C)2006 giveandgive.com All rights reserved