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| - 第 82 話 - 『修学旅行』 |
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『修学旅行』
「さて、今週は読者からのお便りをご紹介します。
お便りは、こんな文章ではじまります。
「プチ紳士…。
私はそれを自分の息子の中に見つける事ができました。
親バカと言われるかも知れませんが聞いてください」
親バカ!? 大いに結構です♪
私も周囲に、息子の自慢をしまくっています。
また、“酒に酔う”と嫁自慢もはじまります(笑)
※“酔う”と、というところがポイント
さぁ、どんなお話でしょう。
愛媛県のおいやんからいただきました。
* * * *
『修学旅行』
2年前、息子が小学6年生へ進級した時のお話です。
新学期早々に北九州への修学旅行をひかえており、
息子もそれはそれは楽しみにしておりました。
ところが修学旅行出発まで後三日という時に
高熱を出してしまったのです。
「なんとか出発までに・・」
という思いで妻が病院へ連れて行ったのですが、
診察の結果はインフルエンザ…。
この事を私は仕事場で妻からのメールにより知らされました。
すぐさま私は妻に電話を入れて
違う病院でも検査してもうよう告げ、
祈るような気持ちで報告をまちましたが、
やはり結果は同じでした。
「なんでなん?
なんでうちの息子なん?
なんで今なん?」
私は張り裂けそうな気持ちを押さえ、
今、点滴をしているという息子宛に妻の携帯へ
「まぁくん大丈夫?よくなったら、
絶対に父さんがどこかに連れて行ってあげるからね!」
とメールを送りました。
しばらくして送られてきた息子からのメールには、
「うん!」
という言葉の後に笑顔とピースの絵文字が入っていたのです。
私はこらえきれずに泣いてしまいました。
あんなに楽しみにしていた修学旅行。
さぞかし辛いだろうに、
私に対して精一杯明るく振る舞ってくれたのです。
妻が担任の先生に、
インフルエンザにより修学旅行欠席の連絡を入れた時、
先生も随分残念に思っていただいた事と、
同じクラスの子が二人、
三日前からインフルエンザで学校を休んでいて、
その子達も旅行を欠席するとの話を聞いたそうです。
私はなんだか息子はその子達にインフルエンザを
うつされたような気がして複雑な心境でした。
半月ほどたった頃。
息子の希望もあり一泊でのキャンプを計画する事になったのですが、
私の中では修学旅行に行けなかった分、
友達との思い出をつくってあげたくて、息子に
「仲のいい友達も誘ってあげていいよ」
と伝えると、
「うん。わかった!」
喜んでくれて結局、友達を二人誘う事となり、
準備も整いキャンプも近づいたある夜、
何気なく息子に
「一緒に来る友達とは一番仲がいいの?」
と聞くと、
「う〜ん、一番って事はないけど仲いいよ」
とだけ答えました。私もそれならいいか。
楽しい思い出になってくれさすればと思っていたのですが、
その後、私は妻から事実を聞かされました。
息子が誘った友達は修学旅行を
インフルエンザで欠席した二人だったのです。
一番仲のいい友達ではなく、
自分と同じ病気で旅行に行けなかった友達でした。
旅行に行けなかった寂しさがわかるから
声をかけたそうです。
私は心のどこかでその友達を恨んでいました。
その子達が楽しみにしていた旅行を
息子から取り上げてしまったのだと。
妻からその話しを聞いた時、
自分の心の狭さを恥じると同時に
息子の優しさに心を打たれました。
自分の汚れた心とは反対に息子は恨む事もなく、
純粋に友達を想っていたのです。
それを私に説明する事もせず、
笑顔で答えてくれた息子。
大切な事を息子に教えられました。
親バカかも知れませんが、
こんな息子を「プチ紳士」の仲間に
入れてやってもらえませんか?
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