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| - 第 76 話 - 『一通のハガキ・・・みんな幸せ』 |
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『一通のハガキ・・・みんな幸せ』
編集長・志賀内泰弘
昨年の秋のことです。
ある会で講演をさせていただときのことです。
100人くらいの皆さんがいらっしゃいました。
スピーチのあとで立食パーティが予定されていましたが
とても全員の方と名刺交換をさせていただくのは困難だなと思いました。
一人1分としても、30分で三十人です。
一人3分とすると・・・。
そこで、お話の最後に、こんなことを申し上げました。
「ホワイトボードに私の自宅の住所を書かせていただきます。
おそらく、全員の方と名刺を交わすことができないと思うので。
一期一会と申します。
せっかくのご縁なので、全員の方と仲良くなりたいのです。
どんなことでも構いません。
何でもご相談ください。
たいていのことは、解決できます。
とはいっても、私自身は微力です。
体力も精神力も知力もありません。
でも、優秀な友達がいっぱいいます。
私の力で解決できないときは、友人に頼みます。
どうか、お気軽に声をかけてください。
ただし、条件が一つだけあります。
電話やメールはご勘弁いただけますか。
最初は、手紙かハガキにしてください。」
メールや電話を否定しているわけではありません。
私も大いに活用しています。
でも、手紙・ハガキが大好きで、心が繋がる気がするのです。
だから、「最初のお付き合い」では、
そのことにだけはこだわっているのです。
さて、大見得を切ったものの、
たいていの場合は一通も便りはありません。
「生意気な奴」と思われるのか、
「手紙を書くのが面倒」なせいか。
「メールでもいいよ、と言えばよかったかなぁ」と
少し弱気になる瞬間です。
ところが今回、講演の2日後に一通のハガキが舞い込みました。
ある金融関連会社に勤めるAさんからです。
そこには、こんなことが書かれてありました。
「知り合いの会社のマネージャーさんが、秘書を探しています。
身体に障害を持つ方を雇用したいとのことです。
お力をお貸しください」
「これは・・・」と思い、
すぐに電話をかけようと思ったのですが、
名刺交換もさせていただいていない方でした。
慌てて
「電話をください」
と手紙を書いてポストへ走りました。
翌日、その方から電話があり話の詳細がわかりました。
Aさんの勤める会社の同僚Bさんが、
外資系の大手企業でマネージャーをしている友人Cさんから、
「秘書を探している。身体に障害があるけれど、
パソコンなどの事務が健常者と同様にできる人を紹介して欲しい」
と頼まれたそうです。
アルバイトや委託ではなく、正社員として雇用したいとのこと。
勤務場所やバリアフリーの状態などもお聴きしました。
私自身に心当たりがなかったので、
早速、5人の友人に電話をして、
「条件に合う人を探して欲しい」
と頼みました。
みんな一生懸命になって探してくれました。
翌日のことです。
そのうちの一人、Dさんから連絡がありました。
Dさんの友人で、ある福祉施設のマネージャーEさんから
「ぴったりの人がいる。Fさんという方です」
との話があったというのです。
身体の一部に障害を持っておられるけれど、
働くことに全く支障はない人とのこと。
私は、早速Aさんに電話で連絡。
BさんからCさんへと話が伝わり、
すぐにCさんが、Eさんの紹介で本人に会いに行かれました。
ほどなく、Aさんから電話がありました。
「ありがとうございます。
決まりました。」
と。
なんだか、涙が出そうになりました。
私は、ただ電話を5本かけただけです。
きっと、Aさんも、BさんもCさんも、そして、Dさんも
それ以上の電話をかけているでしょう。
早速、Dさんに電話をすると、
「よかったねぇ」
とまるで笑顔の見えるような声で喜んでもらえました。
お互いに、
「よかったねぇ」
「ほんと、よかったなぁ」
と口々に言い合いました。
Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん、Fさん、
そして私。
全員がハッピーになりました。
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