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| - 第 69 話 - 『物にも心がある』 |
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『 物にも心がある 』
編集長・志賀内泰弘
小冊子「目に見えないものに価値がある」が、
当事務局から発行されました。
◆詳しくは → http://giveandgive.shop-pro.jp/?pid=2523248
おかげさまで大好評。
手前味噌ながら、ものすごく力を入れて書いたので、
「この話が良かったよ」
「ジーンと来ました」
と言われると、涙が出てきます。
実は、この小冊子の中に収めたお話は、
大手出版社から出してもらうために
ずっと書き溜めていた原稿の一部でした。
事務局の小島さんから、
「“小冊子の第二弾は出ないのか”
という声が多数あります。すぐに原稿を下さい」
と請われるままに差し出したものでした。
それだけに評判が良いとホッとします。
さて、「目に見えないものに価値がある」と言っても、
けっして「見えるもの」をいい加減に扱っているわけではありません。
物を大事にする心は、「見えない」けれど大切なことです。
物にも心があるのです。
ある日突然、携帯電話が使えなくなりました。
ついさっき充電したばかりなのに、ピーピーと鳴ったかと思ったら、
【充電してください】
と画面に表示され、プツンと切れてしまったのです。
いくら電源のボタンを押しても入りません。
携帯電話は今や生活の必需品。
慌てて買った店に駆け込みました。
「バッテリー電池切れですね」
と言われました。
「じゃあ交換してください」
と言うと、渋い顔をされてしまいました。
「ずいぶん古い機種ですよね。
電池交換には3千円ほどかかります。
この際、新しい機種に…」
と買い換えを勧められました。
「これが慣れていて愛着があるから」
と言うと、
「でも相当古い機種ですよ」
と前世紀の遺物を見るような目で見られてしまいました。
それでも抵抗して電池交換をしてもらいました。
さて同じ日の午後のことです。
今度は腕時計のバンドが何かのはずみでちぎれてしまいました。
これまた時計屋さんへ走ります(本当に急がしい日です)。
もう20年も使っている代物ですが、本体はまったく正常に動いています。
「バンドを交換してください」
と言うと、
「同じタイプのものがありますよ」
と目の前に出してくれました。今までのものとうり二つ。
六千円もしましたが、迷わず交換してもらいました。
店員さんに、
「よほど乱暴に扱わないと、こんなふうにちぎれませんよ」
と言われ、時計の扱い方や保管方法を指導されました。
急いでいたので、面倒だなぁ、とは思いましたが、
ちょっと嬉しくもあり。
それが物への愛情だとわかっているからです。
3日後のことです。
またまた携帯電話の電源がまたまた入らなくなりました。
再び店へ走りました。
機種交換を勧める店員に、
「修理してください」
と言って帰ってきました。
時代おくれと知りつつも。
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