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- 第 40 話 - 『手作りお弁当』
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私は高校を卒業した後、
故郷を離れ名古屋市内の専門学校へ4年間通いました。
ですので、親の仕送りを受けながら
1人暮らしをさせてもらっていました。
私は現在仕事上、高校生をもつ親御さんと接する事が多く
そんなお客さんに先日こんな質問をされました。
「うちの子、4月から遠くの大学に進学が決まったから、
そちらで1人暮らしを始めるんだけど、
あなたの経験上何か助言ないかな?」
私はその時、即答しました。
「人からの好意には若いんだから遠慮しない方がいいですよ」
お客さんもビックリして
「えっ!」
どうしてかと言うと、私には学生生活と言うより、
一生忘れることのならない次のような事があるからです。
田舎から1人で名古屋に出てきて、
右も左もわからず学校の入学式を迎え、
もちろん、1人も友達、知り合いなんていません。
今までは全く経験のない事でした。
そんな不安な中、名古屋市在住のK君という友達と仲良くなり、
実家へ遊びに行っては食事をごちそうになったり、
時にはそのまま泊まって行ったりし、
なんとなく名古屋生活も慣れてきました。
学校での昼食は毎日のようにK君と学食言っていたのですが、
一ヶ月くらいが過ぎたころ、ある日K君が
「俺、明日からオカンに弁当作ってもらうわ。」
と言いました。
私は、入学して毎日のようにK君と学食に行っていたので、
なんとなく寂しい感じをしましたが、
「じゃあ、俺は他の子達と学食食べに行くわ。」
と言いました。すると、K君が思いもよらぬことを言いました。
「お前の分もうちのオカンが作ってくれるみたいだから、
一緒に持ってくるわ。」
と言ってくれました。しかし、さすがに私は申し訳ないと思い、
一度は遠慮したのですが、改めてその日K君のお母さんが、
「一つ作るより二つ作る方が弁当は作りやすいから、
遠慮しないでいいんだよ。何か嫌いな物ある?」
と言われ、欠かさず私は遠慮もせず、
「レバー」(苦笑い)
と言ったその会話により、次の日から毎日K君は、
僕のために弁当を二つ持ち帰りしてくれました。
そうして3年生の秋にK君は、
縁があり学生結婚することになり、
実家から離れて生活することになったので、弁当は諦めてました。
しかし、K君のお嫁さんも面識があったので、
お嫁さんは
「私、今までどおり作ってあげるよ。」
と言ってくれました。
私はさすがに新婚生活で家計も苦しいだろうに、
この時は強く抵抗し遠慮しました。
ですが次の日、K君は僕の弁当も持って登校してくるではないですか。
私もさすがに素直に奥さんに感謝することにしました。
そうして、4年間私はK君のお母さん、お嫁さんに、
毎日手作り弁当を作ってもらい、
そしてK君に持ち帰りしてもらう、
なんとも考えられないような人の好意によって
栄養の欠かさない食生活をおくらせてもらいました。
その影には、田舎の両親が身に余るような
K君家族へのお返しもあったみたく、
両親にも感謝しました。
学生4年間、私は両親は申し訳ないんですが、
学校の勉強に関しては落第生でしたが、
社会勉強と言いますか、
人の暖かい心に気持ちよく受け、
そして感謝するという、
人として一番大切な勉強を
K君一家にさせてもらいました。
今思えば、なんて図々しかったな〜!と思いますが、
あの時K君のお母さんの好意を遠慮して断っていれば、
こんな経験は出来なかっただろうと思います。
そして、最後にこれからひとり立ちされる方には
この言葉だけは忘れなければ一人でも誰かが救ってくれます。
『感謝』という単純な事だけど、
感謝がなくなると愚痴が先行するようになります。
まず、両親を感謝して旅立ってください。
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